2018(平成30)年11月6日(火)、「第1回 服部真二賞 授賞式・設立1周年記念パーティー」がコットン・クラブ(東京都千代田区)で開催されました。

服部真二賞は、世界に挑む若い音楽家やアスリート「Rising Star」、彼らに寄り添い支えるコーチやエキスパート「Inspiring Coach」、そして音楽やスポーツ界の改革に挑むリーダー「Young Leader」たちに贈られる賞です。
第1回服部真二賞は、「Rising Star」3名、「Inspiring Coach」1名、「Young Leader」1名に特別賞2名を加えた、計7名が受賞されました。皆さんのこれからのご活躍を願っています。


太田雄貴(おおた・ゆうき)さん
国際フェンシング連盟理事
日本フェンシング協会会長
選手時代に2012年ロンドン五輪銀メダル、2015年モスクワ世界選手権で金メダルを獲得されるなど、ご自身の活躍でフェンシング競技に日本国民の注目を集めました。引退後は協会会長として、日本のフェンシング競技を世界に通用するメジャーなスポーツにしょうと、高い志をもって選手育成やファンの拡大のために、次々と改革に挑戦されています。オリンピック・パラリンピックの東京誘致にも貢献された太田さんは、これからの日本のスポーツ界を牽引していく若きリーダーです。
(太田雄貴さんは、12月7日「国際フェンシング連盟」の副会長に就任されました。国際競技連盟の副会長就任は日本人初の快挙です。国際レベルでの活躍が期待されます)
(プレゼンタ―:服部真二 理事長)




服部百音(はっとり・もね)さん
ヴァイオリニスト
多くの国際コンクールでグランプリを受賞され、今、最も期待を集める若手ヴァイオリニストです。国内外の多くのコンサートに出演され、世界を舞台に活躍されています。
クラッシック音楽の素晴らしさをもっと多くの人に知って欲しいと強く願っておられる百音さんは、今後も率先して明日の音楽界を牽引していかれることでしょう。
当日は札幌での公演を終えて会場へ移動されている最中だったため、代わりに百音さんの祖父であり音楽家の服部克久氏に受け取っていただきました。
(プレゼンター:三枝成彰 理事)




酒井夏海(さかい・なつみ)さん
競泳選手
身長174cmの大型スイマー。キックの強さと大きなストロークが魅力で、今後の活躍が期待される若手競泳選手です。背泳ぎの日本高校新記録を次々と更新され、2018年8月に開催されたジャカルタ・アジア大会では、出場した5種目すべてにおいてメダルを獲得。100m背泳ぎとフリー・メドレーのリレーにて3個の金メダルを獲得されました。2020年の東京オリンピックで最も活躍が期待されるお一人です。
(プレゼンター:永野毅 評議員)




内島萌夏(うちじま・もゆか)さん
テニス選手
これまで国内外のジュニア大会で実績を積み、今年からプロサーキットに挑戦されています。5月の「カンガルーカップ国際女子オープンテニス」では準優勝。9月の「東レ パン パシフィック オープンテニストーナメント」に主催者推薦枠で出場されるなど、将来が期待されるテニス・プレイヤーです。「打球は世界レベル」と定評のある内島さん、2020年の東京オリンピック出場を目指す彼女のさらなる飛躍が期待されます。
(プレゼンター:佐藤直子 理事)




高野岳士(たかの・たけし)さん
義肢装具士
障がい者のスポーツ用義足や靴のインソール製作の第一人者です。現在、NPO法人シオヤ・レクリエーションクラブとタッグを組み、主に脳性麻痺や知的障がいのあるパラアスリートのインソールの製作や調整を手がけておられます。義足・インソールは、競技の結果を左右する最も重要な用具です。高野さんは今後、オーダーメイドのスパイク製作も視野に入れているとのこと。これからも選手に寄り添いながら、一人でも多くのパラアスリートが2020年の東京で活躍できるよう、しっかりと支えていかれることでしょう。
(プレゼンター:三浦雄一郎 評議員)



前田憲男(まえだ・のりお)さん
音楽家
「伝説のジャズピアニスト」と呼ばれている前田憲男さんは、日本が世界に誇る音楽家です。これまでに、独自の高度な音楽理論に裏打ちされた、多くの優れた編曲譜面を残されています。2011年の東日本大震災直後から公演されている「“わ”で奏でる東日本応援コンサート」は今年でのべ30回を超え、社会に貢献されてきました。「これからも命ある限り応援コンサートには参加する」と張り切っておられましたが、当日は体調の都合でご欠席となりました。授賞式ではマネージャーの秋吉様に受賞していただきました。
(プレゼンター:都倉俊一 評議員)
前田憲男様は、11月25日、ご逝去されました。心からご冥福をお祈り申し上げます。



山縣亮太(やまがた・りょうた)さん
陸上競技選手
2018年の「日本陸上競技選手権大会」「全日本実業団対抗陸上競技選手権大会」100mにて優勝、8月の「第18回アジア競技大会」では日本選手団の主将をつとめ、100m3位、4×100mリレーでは優勝。日本のトップランナーとして活躍している山縣選手ですが、これまでの競技生活は決して順風満帆なものではありませんでした。過去数度の大きな怪我に見舞われましたが、その度に精神的にも肉体的にも強くなって戻ってきました。自らの理論を追い求める探究心、淡々と練習を重ねる継続の力が評価されての受賞です。
(プレゼンター:王貞治 評議員)



授賞式に続き、設立1週年記念パーティーが行われました。

今年、墨田区の小中学校に機材(セイコースポーツカウンター・セイコーストップウオッチ)を提供いたしました。学校を代表して、錦糸中学校の浦山裕志校長から活用状況等についてお話をいただきました。


「Seiko Summer Jazz Camp 2018」受賞者6名と理事であり作曲家・ピアニストの松永貴志さんとの共演ライブが行われました。
若い音楽家への発表・演奏の場を提供することを狙いとしています。わずか4日間の短期集中キャンプで大きく成長を遂げた受賞者たちの熱演に、誰もが聴き入っていました。

*「Seiko Summer Jazz Camp 2018」とは、世界トップクラスのミュージシャンが講師となり、ジャズミュージシャンを目指す若者たちに演奏テクニックや音楽との向き合い方を指導するセイコーホールディングス株式会社主催のワークショップ。

「2020東京五輪・パラリンピックへ想い」と題して、太田雄貴さん、山縣亮太さん、酒井夏海さん、内島萌夏さん、高野岳士さんによるスポーツ・トークセッションが行われました。アスリートとして、アスリートを支えるエキスパートとして、2年後の東京五輪に向けたそれぞれの想いを熱く語っていただきました。


「服部真二 音楽賞 Rising Star」を受賞したヴァイオリニストの服部百音さんがエルンストの「夏の名残のバラ」をソロで演奏されました。百音さんが奏でるヴァイオリンの美しい調べに、会場からは惜しみない拍手が送られました。


授賞式に先立ち、プレスインタビューが行われました。多くの報道関係者の前で、各受賞者の力強い抱負が語られました。
