
2019年11月18日(月)、「第2回 服部真二賞 授賞式・レセプションパーティー」が帝国ホテル(東京都千代田区)で開催されました。
服部真二賞は、世界に挑む若い音楽家やアスリート「Rising Star」、彼らに寄り添い支えるコーチやエキスパート「Inspiring Coach」、そして音楽やスポーツ界の改革に挑むリーダー「Young Leader」たちに贈られる賞です。



井上康生さん
全日本柔道男子監督
現役時代、切れ味鋭い内股を武器とする攻撃型柔道で、世界選手権優勝、2000年シドニー五輪で金メダルを獲得など数々の結果を残されました。
悔しい結果に終わった2012年ロンドン五輪の後、日本柔道界の再建を託され、世界の「JUDO」の良さを取り入れるなど、柔軟で常識にとらわれない様々な改革に取組まれ、選手を信頼し自主性を重んずる指導方法へと変革し、リオデジャネイロ五輪では金3、銀1、銅8、計12個のメダルを獲得、見事に日本のお家芸「柔道」の復活を果たされました。
柔道界にとどまらず、これからのスポーツ界を牽引する若きリーダーのお一人です。


(プレゼンタ―:服部真二理事長)


鳥羽咲音さん
チェリスト
5歳でピアノを始め、6歳でチェロを学んだ咲音さん、現在(2019年11月)14歳。国の内外で開催される多くのコンクールで優勝され、去る10月8日サントリー大ホールでコンサートデビューを果たすなど、今、日本で最も才能ある若手音楽家の一人です。
持って生まれた感性と音楽への熱い情熱、そしてひたむきな姿勢は、多くの人たちを魅了してやみません。 咲音さんの美しい演奏は、会場を大いに盛り上げました。
今まさに多くを学んでおられ、これから世界の舞台での活躍が期待されます。


(プレゼンター:三枝成彰理事)


亀田誠治さん
音楽プロデューサー・ベーシスト
数多くのアーティストのプロデュース、アレンジを手がける一方で、今年(2019年)6月、世代・ジャンルを超えて音楽を楽しめるボーダーレスな「日比谷音楽祭」を企画構想し、自ら実行委員長として成功に導かれました。
また、TVやネットを通じて、音楽作りの技術やノウハウを継承されるなど、若い世代の育成にも積極的に取組まれています。 変化の激しい音楽界にあって、これからの音楽界の発展に尽くす覚悟をもち、実現に向かって挑戦をつづける亀田さんにこれからも注目していきたいと思います。


(プレゼンター:渡邊美佐評議員)


玉井陸斗さん
飛込選手
現在(2019年11月)13才。技術的にも世界最強の中国選手を倒す可能性を秘めた日本飛込界の逸材です。今年9月の日本選手権で13歳0カ月の史上最年少優勝し、世界選手権4位相当のハイスコアを記録しました。 13歳10カ月で迎える東京五輪、「日本男子五輪最年少出場記録」と「飛込界初のメダル」が期待されます。
強豪国と比較し、決して恵まれているとは言えない練習環境の中で、世界に挑むことは相当の努力と覚悟が要求されますが、それを成し遂げようとしている玉井選手と関係者の皆さんにエールを送りたいと思います。(玉井選手は海外遠征のため、お父様の玉井隆司さまが代理受賞されました)


(プレゼンター:住谷栄之資評議員)


中田崇志さん
伴走者
「伴走とはボランティアではなく、私自身も勝ちたいと強く思い、一緒に勝利のために走るもの」との信念で、ランナーと一緒に勝利に向かって挑戦を続けている伴走者の第一人者です。2004年のアテネ五輪では金、ロンドン銅、リオ銅メダルを獲得。
今年(2019年)11月8日ドバイで開催された「パラ陸上世界選手権1500m」では和田伸也選手の伴走を務め、日本新記録の4位でゴールイン。2020年東京パラリンピック代表に内定しました。2020東京では4個目のメダル獲得が期待されます。
また、全国の子供たちにパラスポーツのすばらしさ・楽しさを伝え、社会の認知と理解を深めるために学校での講演に積極的に取り組み、多くの子供たちを元気づけています。


(プレゼンター:木村太郎評議員)

「世界に挑むアスリートや音楽家はどんな支援を望む?」と題して、受賞者の井上康生さん、亀田誠治さん、中田崇志さん、そして企業・財団の立場から永野毅評議員が加わりトークセッションが行われました。 受賞者からは「皆さんから応援したいと思ってもらえるビジョン・環境づくりが大切」「子供たちが、本物の音楽(音・歌声)と触れ合える場・きっかけを作りたい」「パラスポーツと触れる機会・場を増やしたい」、企業・財団側からは「若者が失敗を恐れず、夢に向かって挑戦する文化を醸成する支援が望まれる」などの意見が交わされました。


「服部真二 音楽賞 Rising Star」を受賞した鳥羽咲音さんが、ピアニストでお母様の鳥羽泰子さんの伴奏のもと2曲演奏されました。咲音さんが奏でる美しいチェロの音は会場を優しく包み込み、若きチェリストに惜しみない拍手が送られました。

演奏曲目
グラナドス=カサド(編曲)オペラ「ゴイェスカス」より 間奏曲(Intermezzo)
サン=サーンス「動物の謝肉祭」より 白鳥

授賞式後、プレスインタビューが行われました。多くの報道関係者の前で、力強い抱負が語られました。
